自閉する世界の中で我々は価値というものを見失っていたのだからひどい時代だった、と、さも被害者のように装う加害者の言葉を聴く耳を持っていたことを文字通りに私は後悔した。殺戮者の唇が私の首筋を這いながらいつ殺そうか殺すまいかと逡巡するのを皮膚の上で感じ続けている。「お前は白すぎる」「あなたが染まりすぎているだけです」赤く赤く、彼の手が染まりすぎているのに気をとられて、私は足元の人々の断末魔に気が付かなかった。現実に麻痺しているという点で我々は同罪だったのだ。浮き足立っていた。チャラララと笑うかのように鎖は鳴る。罰を受けるよりも愉しいことをしようと人殺しが誘って、私たちは憎しみあい愛しあい殴りあい交歓しあいながら遊んで飽きてやがて流れる血も汗も精液も出しつくしたのだから、もう隠匿する夜も明けて白く曝された。ここでは殺しあうしか術がない。「遊び方」